「そうかそうか!よかったね!」
暁くんと私が付き合うことになったと翌日おじさまとおばさまに報告した。
どんなお叱りも耐えるつもりだったけど、
意外すぎる言葉が返ってきて私は唖然とした。
確かに暁くんは自信ありげに平気だって言ってたけど…。

「よかったわね、長年の想いが実って」
「母さん!」
おばさまが暁くんをからかうように言った。
「一目惚れ、だもんな。思い出すなあ~、百合を引き取ったときのこと」
「親父!」
どういうこと?私は何が何だかわからず三人のやりとりを見つめていた。

「暁ね、百合に一目惚れしちゃったのよ。だから引き取ろう、って。
自分の家で俺が面倒みるからって聞かなくて…」

おじさまと暁くんが言い争っている間におばさまがこっそり教えてくれた。
何だかペットを飼うときみたいな会話だけど…。

「ちょっと!余計なこと話さないでくれる?」
こんなに余裕のない暁くんは初めて見る気がする。それも新鮮で私はくすりと笑った。
「百合…」
恨みがましい目で見られたので、笑いながらごめんと謝ると
おじさまたちから笑みが零れた。

「こういう結果になって本当によかったよ。心配してたんだよ」
「暁の一方的な片思いだったしねえ?」
「だから余計なこと言わなくていいから」
次々と話されることは私には信じられないことばかりで。
「で?二人は結婚するのかな?」
「け、結婚?!」
「当たり前じゃん」
「暁くん?!」
「あら、プロポーズもまだなの?ダメな息子ねえ」
結婚って…?当たり前って…?
嬉しさより驚きのほうが勝って呆然とした。