かっこいいな、って思った。
その人が、ってわけじゃなくて、
バスケをしているときの顔が。
バスケだけじゃない。
サッカーも、バレーも、野球も。
どんなにカッコ悪い練習も、
あたしには最高にキラキラして見える。
もう一度、戻りたいって思った。
何度も悔やんだ。
練習を見ながら、何度も泣いた。
人に言われるたび、嫌で仕方なかった。
みんなの態度も、視線も、怖かった。
「あたしじゃないの」
それがどうしても言えなかった。
こうなったのも、すべてあの人のせい。
あの人のせい…。
でも、あの人だって「かっこいい人」なわけで。
あたしがこうなっても、あの人は今もキラキラしてるわけで。
そう考えると、やりきれなかった。
切なくなった。
でも、そんな気持ちも持たなくなった。
あたしは、トラウマなバスケを、
怪我の原因のあの人を、
もう一度、好きになってしまった…。