「城田くん、ちょっといいかな?」
「あっ、咲畑さん。
どうしたの?」
唯人はちょっと気まずそうにしてた。
「この子、田村春っていうの。仲良くしてあげて!」
「唯人くん、私、春!よろしくね!」
「あっ、うん。よろしく。」
「あ~!緊張したぁー。
でも唯人くんやっぱり格好いい!」
教室に戻るとさっそく春が惚気始めた。
「いいね~、恋。」
「桜なんかもっといいじゃん!
田畑君と付き合ってるんでしょ?」
「昨日、付き合い始めたの。
お互い一年間片想いしてやっと。」
「なんか凄いな~。羨ましい!」
唯人と旭は同じクラスだった。
席も前後だったらしい。
だから春が唯人と喋っている間、私は旭と喋っていた。