「もう私たちも大人なんだし、いつまでも子供みたいな考えを持つなんて変。敦子は恐らく、ちゃんとした気持ちで田代君と接してくれるハズだよきっと」

「そうかな?」

「田代君もね、ためらわないで積極的に話しかけなさい」

 富沢さんからの励ましの言葉を思い出した俺は西谷さんに再度、接してみる事を決めた。

 イザ、行動しようとするとハラハラドキドキ気分になって足が止まってしまうけど、ココは思い切ってぶつかってみるしかない。

 西谷さんは今、仲間の富沢さんや倉田理香、金子由真たちとビール片手に語り合っていた。

 タイミングを見計らって声を掛ける俺。

「に…、にしたに…さん…!」

 あーあ!

 緊張しちゃって!

 高校時代には何度も声を掛けているのに、久しぶりに声を掛けるとなるとハラハラするのだ。