「最初は嫌な顔をしていても、交際を続けていれば段々と気持ちも緩やかになって行くんじゃないの? そのうちに敦子も田代君の良さに気付いてくれるハズだと思うんだけど」

 なるほど…

 それは言えるかもしれない。

 それでも俺は反論した。

「他の女の子だったら、そうなるだろうね?」

「敦子の場合は違うって言うの?」

「西谷の場合は120㌫有り得ないよ」

「その根拠は?」

「俺に対する嫌悪な思いは、ハンパなレベルじゃないって事は志田さんも富沢さんも分かっているハズだろう? 尋常じゃないって言うか…もし仮に俺との交際が出来たとしても、すぐに別れてしまうハズだよ」

「それでも一生懸命、頑張れば…」

「ちょっと待って!」

 俺は富沢さんに後部席に置いてある自分のバックを取ってもらった。