『ま…っ、まきぃ!!!!!!』


眼球が飛び出すのでは、と思うほど目を見開くまきはぽっかり口を開けて喘ぐように震える。


死にもの狂いでそれを止めようとするが、後ろから女に羽交い絞めにされ叶わない。

顔を固定されて目を逸らすことも出来ず、拷問のようなそれにただ涙があふれ出た。




『ま、き……ぃ!まき、離せ!殺してやる!!!!お前ら離せぇえッ!』

『煩い女だこと。私らを殺すだって、本当に愉快な娘だねぇ』


それに向かい側で腕組みをしながら傍観を決め込んでいた男が、にやりと笑みをこぼす。

蔑むように千歳を見下ろし、言葉を続ける。




『俺たちをものの怪だなんて言ってるが、』



狂気に染まる笑みが顔に広がり、





『――――そこの鬼灯だって、《夾竹桃》の一人だろう?』



目の前で我が子の喉元に手を突き立て嗤う男。


嗚呼、そうか、この男―――ものの怪なのか。





『そろそろか?』


瞳を細めクツリと妖艶な笑みをこぼす鬼灯は捻るように手を少し動かす。


その瞬間、まきの全身が痙攣した。