―キーンコーンカーンコーン。

2時間目の授業が始まる。数学だ。

数学は美羽の中で、最も苦手な教科なのである。


「あぁ。やだよ~、数学大嫌い~!!!」

美羽はひざをがたがたさせた。
そして、ボールペンをかちかちさせた。


「おぃ!!北河、授業に集中しろっ!!」

数学担任、安坂先生だ。美羽の学校内の教師の中でも一番苦手なタイプなのだ。


(小声)「あぁ~、安坂のやつ、マジやだよぉ。」


安坂先生は気づいたのか、美羽のことをにらんだ。


「おい、北河。放課後補習だぞ、いいな?」


(っげ・・・最悪じゃん。)