リーダー佐竹が自前の耳かきを使いながら、
ツナ子に向かってアゴをしゃくる。


「吉川、電話」


耳かきの先で、なつかしい白い綿毛が、揺れている。


パソコンに内臓された電話ソフトから、
ヘッドマイクで通話をする。
3席しかない中仕切りに挟まれた窓口のくせに、
何のつもりか設備は最新鋭である。


「お電話ありがとうございます、
ゴーラ化粧品 吉川でございます」