「ツナちゃんは、昔から他人に興味がないものね」
そうなんだろうか。
この、母親という人の話は、よく聞いていたつもりなんだが。
「結婚をする、って彼を家に連れてきた時は、ああツナちゃんでも、普通に人を好きになるんだって、
ホッとしたの。
とても短かったけど、それがわかって良かったかもしれない」
離婚の事後報告は、ツナ子一人で来た。
「あちらのご両親には…」
黙っていた父親も、様子を伺い始めた。
「昨日電話した。
都合が合わないみたいで、時間があれば会っていただけるようだけど」
母親が眉を顰める。
言いたい事は、わかる。
入籍の時はあれやこれやと仰々しく、面倒であったのに、
不躾な程に簡素な終結が腹立たしいのであろう。
