今度は、わたしも声を荒げて、祥を睨みながら言った。





「助けにも……きっと来ない」



好きなのは、わたしだけ……

煌くんは、わたしが可哀想だから優しくしてくれるだけ……
親から連絡も来ない、記憶のないわたしが可哀想なだけ。
同情しているんだ………



家に住まわせてくれてるのも、きっとそうだ。



だから、いま、わたしがいなくなって、精々してるんじゃないかな……


お荷物がなくなったって……




「煌くんは、来ないよ」




もう一度言った瞬間、温かいものが頬を伝ったのがわかった。



何で……?




「っ……」



違う……ほんとは、信じたい。

いつも助けてくれた煌くんを。
襲われたあの日の夜、お風呂場で抱き締めてくれた人を。

『傍にいる』と……『絶対離れない』と、言ってくれた彼を…………信じたい。



だけど……それが確信のものじゃないから……怖くて…悪い方へ考えちゃう……



自分が後々……傷つかないように…………