「………そうだったら何?」



わたしは、祥を睨みながら答えた。



「へぇ~……やっぱそうなのか。
ラッキーだな」




と、ニヤニヤ笑う祥。

何が……ラッキー…?



「あいつのキレた顔が見れる。
あー、楽しみだな~」



「あいつって…?」



「決まってんじゃん。
鬼翠の総長さんだよ」



鬼翠の総長……ってことは、煌くん……?




「何で煌くんが怒るの?」



「はぁ?お前、アホだろ。
彼女拐われて、キレないやつなんかいねぇだろ……」



呆れながら答えた。

あんたバカ?
見たいな顔してる。失礼な人。




「わたし、彼女じゃないよ……」



「んなわけねぇだろ!
鬼翠の翠姫は、代々総長の彼女がなるはずだ!!」



「そんなこと知らない!
ほんとに彼女じゃないもん!!」