「チッ……」
と、腹の虫が収まらないきーくんは、舌打ちをした。
「篤斗、誰が来た?」
愁ちゃんは、情報を集めだした。
「閻魔……」
「閻魔…か……
じゃあ最近の街のことも奴らが?」
僕はこくんと縦に頷いた。
「なるほどね。
やっと本性を表したな」
と、意味深くニヤリとした愁ちゃん。
「煌」
「龍樹には、もう連絡した。
向こうで合流する」
どうやら龍は、今回の事件の犯人を探しに行っていたみたいだ。
「行くぞ」
そう言って、きーくんはバイクの元へと向かった。
僕は行くことを止められたけど、やっぱりやられたままじゃ嫌だから……と、一緒に行くことにした。
さっきやられたほかのメンバーは、結構重症みたいで、何人か看病する人を残し、他はみんな行くことになった。
急がなきゃ……
あれから、もう三時間くらい過ぎている。
きーくんが先頭になりきーくんの合図で、みんな一斉にバイクを発進させた。
愛依ちゃん……待ってて、今すぐ行くから……
無事でいて………
そう願わずには、いられなかった。