「……ぃや…こな……ぃで…」
弱々しく抵抗する、愛依ちゃん。
「ははっ可愛い子ゲット~♪」
だけど、そんなことは無意味で……愛依ちゃんは、腕を捕まれた。
「その子を離せ!!!!」
やっと二人の側にまで来た僕は、叫んだ。
「はぁ?お前…誰?」
「お前こそ……だれだよ?」
「俺…?
俺は、閻魔の加藤祥―かとうしょう―だ」
閻魔……?
「最近、起こった問題は、全部お前らがしたのか…?」
「ああ、そうだよ。
毎日毎日、見回りご苦労様。おかげさまで、いい収穫が出来そうだ」
そう言いながら、愛依ちゃんを引き寄せた。
どうする……?
どうやって愛依ちゃんを助ける?
でも、まさか……閻魔が……
閻魔は、2、3年前に出来たまだ新しいチームで、悪い噂は聞いたことがなかった。
だから、僕達ははマークしてなかったんだ。
「篤斗くん!後ろ!!」
愛依ちゃんに言われ、後ろを振り向くと、僕より少し身長の高い男にパイプの棒を降り下ろされるところだった。
それを避け、男の溝内に拳を与えた。
カランカランと、音がして男は倒れこんだ。
「愛依……だったっけ?
お前、言うなよな~あと少しだったのに~」
と、残念そうな閻魔の祥という男。