驚いて、目を丸くして、口をぽかんと開いている。
きっと、間抜けな顔をしているだろう。

「またまたぁー、七瀬ったらそんな嘘ばっかりー」

あたしは、聞き間違いなんじゃないかと想って、笑って言った。

「俺は本気だよ」

真面目な顔で、本当に真剣な顔で言ってくれた。

あたしは、何も言えなかった。ただ黙っているしかなかったんだ…

しばらくの間沈黙が続いた。

「…ごめんね…急に言っても迷惑だよね…だから、時間頂戴!体育大会まで、考えてみて!俺、がんばるから!!」

そう言った七瀬は、音楽室から出てった。あたしは、呆然とした。