「相変わらず、音羽は上手いね!」

そう言って、あたしの方に歩いてきた。

「そんなことないよ!七瀬だって上手いでしょ!」

七瀬のピアノは、暖かくて、柔らかい音がするから大好きなんだ。

「俺は、音羽のピアノが好きだよ…」
「ありがとっ!」

♪♪♪~

あたしは、また弾きはじめた。

「あのさ…音羽…俺、音羽のこと好きなんだ…」

ピタッ

あたしは、ピアノを弾いていた手を止めた。