「…美味しかったよ。ひかるちゃんのケーキ。」
「…えっ!?」
食べたんだ。ひかるちゃんが置いてけぼりにしたガトーショコラ。
あの女の子とは結局駅で別れて、1人であの紙袋を持ち帰った。
開けてみたら、入ってたメッセージカード。
『大好きです☆ひかる』
その文字に、泣いたんだっけ。
甘いガトーショコラ。
すごい旨くて、すごい切ない味がした。
「作ってくれてありがとう。本当に、本当にごめん……。
俺も、ずっと、ひかるちゃんのことが大好きだよ。」
…やっと言えた。
言いたかった、俺の心の底からの告白(気持ち)。
溢れ出た涙をポロポロと流すひかるちゃんが抱きついてくる。
「好き…好き…っ…!」
ありったけの想いを込めて、抱きしめた。