気づいたら
名前を叫んで
ベンチ越しに背中を抱きしめてた。
「……え…?」
ひかるちゃんの肩に頭を乗せて、ココにいるんだって、ぎゅっと力を込める。
やっと会えた。
やっと…触れられた。
「ひかる…!?その人…」
頭を動かしたのがわかった。
その後に、身体が固まったのも。
「た、いが…さん…?なんで…」
そんな風に呼ばないで。
光輝さんって、可愛い高い声で呼んでよ。
俺たちの心の距離にすげー切なくなる。
苦しいくらいに好きなんだ。
「…言い訳、させて。話…させて…!」
一度捕まえたら
もう、離さない。