まだ明るい公園。



ブランコで競争する小学生を見ながら美空と並んでベンチに座った。




「…うちらも二年前まで小学生だったんだよねぇ…。もう随分前みたい。にしてもひかる、買ったね~(笑)」




「あはは…。……バレンタインの日ね、駅前で待ち伏せしてたの。大河…光輝さんのこと。でも帰ってきたのは11時。隣には酔ったみたいな女の人。」




「……………。」




「遊ばれてたんだよね、多分。あの時は怒ったのに、浅丘くんの言うとおりだった…。ショックで、悔しくて。だから、もーっと綺麗な女の人になって、もう一度あたしから振りたかったの。後悔させたい。」








あたしを見て、すがりついて来るほどに。




イイ女になりたいの。






「………そっかぁ。」





美空を見ると、あたしを見つめて微笑んでいる。





「ひかる、強いね…。正しいと思うよ。うち応援するから!

…大学生って、恐いね…。」





中2の今のあたし達には、浮気とか二股とかそんな選択肢は無い。





目の前にある恋に一生懸命だから。