「……光輝、あたし達距離置こう。」


















…今のあたしに出来るのはそれだけ。




ごめん、光輝。





あなたより、あたしの方がずっと悪いかもね。









「…距離…?」





「うん、夏休みの間だけ距離置こう?その間に他の人に目を向けてもいいよ。その後で、これからのことちゃんと考えよ…?」









あたしを抱きしめる力がどんどん強くなる。




きっと、それが一番良いんだよ。












「花火大会は…?約束したじゃん、ひかる…離れていかないで…」






「…光輝、悪いのは光輝だよ。一回離れて、頭冷やして…。」

















ごめん



ごめん










こんなの、あたし嘘つきだよね。








「…どうしてもの時以外連絡しないでね。夏休みの…間だけ…。」










泣きそうになりながらも光輝の腕をどけて立ち上がる。






見下ろした光輝は、あたしに縋るように見つめて来る。





「ひかる、誓うから…。あんなこと二度としないから…」











苦しそうに、それでもあたしを引き止める言葉はまるで媚薬みたいにあたしを誘惑する…









「今のあたし、光輝が許せない。お互い、大人になろ…」











震える足で、玄関を目指す。







ひかるー…










その悲痛な声を




振り切って、あたしたちは離れた。