「ごめん、ひかる。本当にごめん、謝ったってしょうがないけど…。」
うん、謝ったって済む問題じゃない。
光輝はあたしと八田さんを間違えた。
キスした事実より、それの方が傷ついた。
後ろから、光輝の腕があたしを包み込む。
震えが伝わって来て、余計切なくなった。
どうしたらいい?あたしは…。
許すなんてこと、あたし心狭いから出来ないよ。
でもね、光輝と離れるなんて出来るのかな…。
どれくらいそうしていたことだろう。
多分光輝は、ずっと泣いてた。
何時の間にか光輝もソファから降りていて、あたしを全身で縛るように…
ただ、抱きしめていた。
昼過ぎに来て、もう時計は4時。
あたしの気持ちは、まとまった。