握り締められている腕を思い切り振り払って歩き出す。



「ひかる!悪かったから…ちゃんと話そ?」



「知らない。あたしは帰るの。」



「帰らせるわけねーだろ!」




再び拘束された手は、余りにも力強くてどんなに頑張っても離れない。



「離してよ!」



「…部屋で話そ。」



また引っ張られて、無理矢理歩かされる。



もうやだ…



今は1人になりたいのに。







シンとしたリビングのソファーに座る。



前もこうして公園から強引に連れて帰られたっけ。



八田さんにも同じようにするの?




ありもしない考えばかりが頭に浮かんでもうホントに嫌。



体育座りするあたしの身体を抱きしめるこの温もりが嘘じゃないって、あたしは知ってるのに…





光輝が他の人に見られるの、嫌。



他の女の人と一緒にいるのも、嫌。






どうしようもない独占欲で




自分が醜い。





「ひかる…」



頭にキスを落とす光輝。




そんな声出されたら、あたしまでなんだか泣きたくなる。