短いメールを打ちながら3日ぶりの我が家へ向かう。
「………。」
無言で鍵を開けて部屋に入ると、まだ夕方だからか誰もいなかった。
あたし駅に良い思い出がないや。なんかしたっけ?
コルクボードにかけてあるネックレスに目をやる。
「わかんなくなっちゃった…」
光輝、好きだよ。
きっと光輝もあたしのことを好きでいてくれてる。
もう少しで、8月で半年だもん。
夏休みは光輝とたくさん思い出作るの。
いっぱいデートもする。
そうだよ…八田さんに、光輝を好きな人に別れてなんて言われてホントに別れたら
あたし、ただのバカじゃん。
あたしは、天下の宮部ひかるだよ?
成績優秀…クラスの中心で、オシャレで美人。
今までのあたしが全部無駄になる。
たかが5年早く生まれてきただけ…。
光輝の彼女は、あたし。
必死に言い聞かせて、きっと訝しんでるであろう光輝の電話をとった。