今日は、光輝が帰ってきたらお土産持って一番に会いに行くハズだった。



今日はたくさん話したいことがあったのに…






「ねぇ、ひかるちゃん。」





ごめんね。





「光輝と別れてよ。」










今日、会いに行ける気がしないや。










「それだけよ、引き留めて悪かったわ。」







あれ…



あたしの新しい香水と同じ香りをまといながらスラッと伸びた足で駅に戻っていった。






一緒だったんだ…。real flower、真の華。




赤紫のビンに入った、お気に入りの香水。






あたしより…八田さんの方が似合うのかもしれない。









real flowerも……



光輝も。







初めて、光輝の隣にいる自信を無くした。








"別れてよ。"





何度もリピートされる艶のある声…






あの人のいいなりになっちゃ負けだと思う。









それでも、平常でいるのはあたしには無理だ。