「…矢口、考えすぎだろ」
本田くんが、ハハっと笑いながら私の肩をポンッと叩く。
その言葉でまた、みんなの時間が動き出した。
「…なんで笑えるの?みんな、忘れちゃったの」
「覚えてるよ!それが、2人の自殺と何が関係あんだよ!!」
掻き消された私の声。
本田くんが私の事を思い切り睨む。
また、空気が変わった気がした。
「そんなの、ただの偶然だろ。あんな番号…」
「だから、私はッ―――」
「アイツが関係ある訳ないだろ」
「でも…ッ」
食い下がる私。
だって納得いかなかったから。
本田くんの言うとおり、ただの偶然なのかもしれない。
だけど、そうだとしたらおかしい。
浜野くんのときも、聖菜のときも。
なんで、同じ番号が書いてるの…?
それから、2人が自殺する前にクラス全員に送られたメール。
本当に偶然なら、メールの送り主は…誰?
偶然だったら、この拭えない不安は…何?