「…浜野くんの席から、じゃない……?」
クラス委員の言葉のとおり、その着信は浜野くんの席から聞こえていました。
私たちは何かに背を押されたように、浜野くんの席に集まりました。
PLLLLLLL
PLLLLLLLLPLLLLLLLL
PLLLLLLLLLLLLPLLLLLLLLLLPLLLLLLLLLL
そして、見つけた。
机の中に置き去りにされた、黒い携帯。
聖菜は机の中から携帯を取り出し、浜野くんと仲がよかった赤木くんに見せる。
それを見たとき、彼はハッと息を呑んだ。
「それ、翔太の携帯(ヤツ)だ…」
そう小さく呟いて。
聖菜の手の中で、いつまでも震える携帯。
気味が悪くなったのか、聖菜は机の上に投げ捨てるかのように携帯を置いた。
すると、またピタリと震えが止まる。
…そしてもう、浜野くんの携帯が鳴る事はなかった。