私たちは一斉に教室から飛び出した。
外に出てみたら、道が真っ赤に染まっていた。
赤い海の中央に横たわる人…それは、間違いなく”浜野翔太”くんだった。
私服姿の彼の身体から、止まることのない血が包んでいく。
「ききき、君たちー!教室に戻りなさいッッ」
教頭や生活指導の先生たちが、遅れてやってくる。
先生方が慌てふためく中、私たち2-Bの生徒だけは冷静だった。
…いや、違う。
冷静なんかじゃない。
恐怖で、押し潰されそうだったんだ。
だって、横たわる彼のすぐ近くに――
”00番”
赤い血の文字で、こう書いてあったから。