今日は清桜学園に通う最後の日。
いつもより早く着いた私は、ここでのことを思い出していた。
「はぁー」
「なぁにため息ついてんの?」
「わぁ!ちょっとビックリさせないでよ!!」
いきなり後ろから聞こえた唯那の声に飛び跳ねた。
「ねぇ、なんで急に転校するようになったの?本当のこと教えて。ウチに隠し事しても無駄だからね!何年一緒にいると思ってんの?」
10年の仲だし、唯那には本当のことを話しても大丈夫だよね…。
「誰にも言わないでね?」
「わかった」
私は、今までのことをすべて話した。
「嘘!?それ本当なの?」
「うん」
「すごいじゃん!!」
唯那からの意外な言葉に驚いた。
「え?唯那、怒らないの?」
「怒る?なんでウチが怒るの?」
2人とも頭の上にハテナができていた。