「ちょっと聞いてよ!アースのSkyっていうグループが今度握手会やるんだって!!」
ほら、やっぱり…。
てか、Skyってどんな名前だよ。
[空]を羽ばたく的な感じですか?
世の中そんな甘くないんだから。
私は全然芸能人に興味が無い。
だから、惟那の話にはついて行けない。
「へー、それで?」
私は授業の準備をしながら惟那に訪ねた。
「それでって、羚は本当に興味無いよねー」
ため息混じりで、惟那は呆れた顔をした。
「だって、どこがいいのか分かんないし…現実見ろって感じ!?」
実際のところ、芸能人を好きになってもその恋がかなう訳なんか無いんだ。
だったら、最初から好きにならない方がいい。
それが私の考えだ。
そんな話をしていると、いつメンの中村 茜(なかむら あかね)が教室に入ってきた。
「2人とも、おはよー」
「おはよー」
笑顔な茜に私は手を振った。
「おはよう、ねぇ聞いて!Skyが握手会やるんだって!!」
さっきから興奮している惟那が目を大きく見開いて言った。
すると、茜までもが目を大きくし、さらに顔を真っ赤にしてその話に食いついた。
「マジ!?諷馬に会えるじゃん!ウチ行く、絶対行く!!」
2人の話について行けない私は一人取り残されてしまい。つい、
「私って、時代おくれなの?」
と2人には聞こえない声で呟いた。