「ゲームしません?」

「なに祐介くん急に。」

「最近若者の語彙力低下が問題らしいのでここはひとつゲームでもしながら語彙力を高めましょうという。」

「つまり語彙力が低い人と聞いて祐介くんは真っ先に私が思いついたわけねへー。」

「いえ、先輩よりも荻野目が先に思い浮かびました。」

「……心外。」

「いや、的確だと思うよ。」

「じゃ、これから可愛い、と気持ち悪い、という言葉を使っちゃダメってことで。」

「なんでその言葉?」

「なんとなくです。」





「ねぇ聞いてよ荻野目くん!!」

「……なに?」

「今日の体育の授業柔道でね、友達と礼しあったんだけど、顔上げたらね、その友達が笑ってて、もうめっちゃかわ……」

「……可愛いは、ダメだよ。」

「……も、もう天使だったの!!本当に、地上に舞い降りた天使みたいで!!」

「………なんかみずき気持ちわ……」

「気持ち悪いはダメだよー。」

「……みずき見てると嘔吐しそう。」

「荻野目くん私泣くよ!!」