「瑞希先輩楽しそうですね。」

コーラを一口飲みながら祐介がそう言えば、近くにいた和歌サークルの瑞希と同学年の女子が会話に参加する。

「あの二人、確か付き合ってたんだよ。」


ピタッと彼女の言葉に荻野目の表情が固まったのを祐介は見逃さなかった。

「そうなんですか。」

ニコニコとした笑みを浮かべ祐介は女の先輩に相槌を打つ。

「すごく仲良かったんだけどね、なんで別れちゃったんだろう。」

不思議そうに女の先輩は瑞希と傑を見つめていた。

不貞腐れたようにオレンジジュースを飲む荻野目と、退屈そうにコーラを飲む祐介。

その一部は、周りの喧騒から大分浮いていた。