「………はぁ」


いつになったら、会えるのかな。

本当に今日、俺はヒメに会えるのだろうか。



「……、ヒメ」




今、俺はとてつもなくヒメに会いたい。

会って、抱きしめて、頑張ったねってちゃんた伝えて、頭を撫でてやりたい。


初めて会った時のことを思い出せば、本当に何とも言えない気持ちになる。



あの時、女の子を一生懸命隠していたこと、男に近づかなかったこと、俺と付き合うことを拒否したこと。


…ぜんぶ、ぜんぶ、これはヒメが一人で闘っていたことだった。



「早くあいてーよ…」



もう一度、きみは、俺の腕の中に入ってきてくれるだろうか。

ちゃんと、今までと同じではなくて、ちゃんと、心から。


心から俺に、ヒメ自身を預けてくれるだろうか。



「……っ」



思えば思うほど、怖くなった。

何度も何度も、ヒメの笑顔を思い出しては、その裏を探してしまう自分がいた。


あの時もヒメは我慢して。
あの時も、あの時も、あの時も…。


俺がいながらも救えなかったことがあるのは事実。

いくら、ヒメが黙っていたとしても、俺はここまで来ないと、それを知ることはできなかった。