「シュウ~。」
「あー?」
「転入生のリュウタロウ、イケメンだよねぇ~。」
「あー。」
「あたし恋したかも。」
「へー。」
「もうっ!シュート練習ばっかしてないで、
幼なじみの初恋の話きいてくれたっていいでしょ!」


シュウはシュート練習に真剣。
邪魔になっちゃったかな。
でも今日のシュウはよくわからん。
不機嫌すぎ。
昨日何かしたわけでもないのに、
どうしてそこまで怒られなきゃいけないの?


「シュウ、怒ってる?」
「怒ってねー。」
「嘘っ!怒ってる!」
「怒ってねーっつてんじゃん。」
「怒ってるよ!なんで?あたしなんかした!?」
「うっせぇな!!!」
「っ・・・。」


シュウに怒鳴られたのは、これが初めて。
シュウは本気で怒ってる。
でもあたしはシュウに何かした記憶なんてない。


「アサミっ!?」


あたしは初めてシュウの前で泣いた。
涙を必死で両手で拭くけど、止まんない。


「アサミ、ゴメ」
「もう知らないっ!!!シュウなんか知らない!!!
大っ嫌い!わけわかんない!!!」


あたしは体育館を飛び出した。


シュウを傷つけたのはあたしのせいかもしれない。
だけど理由がわかんない。
シュウと喧嘩なんて初めてだよ・・・。
どうしたらいいの?