高橋は何も言わない。 さっきから、ずっと黙ってる。 なにか言ってよ。 黙ってたら、何も分んないでしょ? 「なんで、放してくれないの?」 私はそう聞いた。 すると高橋は、パッと手を離した。 「あ……ごめ…俺、何してんだろ……。なんか……、ごめん。」 高橋は、短い髪の毛から出てる耳まで真っ赤になった。