体中の血が、一気にさっと引いた。 それから、目の前が真っ暗になった。 「垣田っ!!!」 視界が明るくなるまでの間、私は自分の身に何が起きたのか、全くわからなかった。 たぶん、立ちくらんだんだと思う。 気が付いたら、高橋の腕の中にいた。 高橋からは、汗と制汗剤のにおいがした。