「大丈夫?垣田さんって、意外に怖がりなんだな。ほら、はやく帰ろうぜ。本当に出たら困るし。」


「意外って…。私ってそんなに強そうに見える?」


「そういう意味じゃなくて…

 やっぱり女の子なんだなっていうか…。」



「それ、全然フォローになってないよ…。」


「えっ?ごめん、もうさっきのことは忘れて!!ほら、出る前に早く帰ろうっ!!」



と言って、北野君は強引に話を終わらせて、私の腕を掴んでずんずん歩いて行った。


正直言って、私の腕をつかむ北野君の指が腕に食い込んできて、かなり痛かった。

でも、暗闇の中で北野君のせなかを追うよりは、人が近くにいる感じがして、安心できた。