「ききき、北野君っ!!おおお、お化け!誰かがそこにいる~~!!」


私は、さっき誰かがいたところを指差した。



本当にお化けだったら、どうしよう…!?

こわっ…!!怖すぎっ…!!
なんだか、涙出てきちゃった…。


私は怖くて怖くて、真っ暗な廊下の真ん中で、目をギュッとつぶって北野君にしがみついた。目を開けたら、また見てしまいそうだったから。


北野君はそんな私の背中をなでながら、


「垣田さん!?あれ、窓に俺らが映ってるだけだよ?」



えっ…?


私は北野君の肩から右目だけをそっと出して、さっきの場所を見た。
すると、暗闇の中に北野君と私の姿がぼんやりと見えた。


あ…、なんだ。私てっきりお化けかと…。


「び、びっくりしたぁ~~…!お化けかと思ったぁ…。」


私はふるえる手で北野君の学ランの裾をつかんだ。