放課後の図書室には、北野君と私の二人だけしかいなかった。
ついさっきまで先生もいたんだけど、「あとはよろしく☆」とか言ってどっかに行っちゃった。
まぁ図書当番なんて特に仕事ないし、先生いなくても大丈夫だけど。
っていうか、先生いない方がさぼりやすいし、いいかも。
「北野く~ん、誰も来ないよ~。」
私は恋愛小説を読みながら北野君に話しかけた。
放課後の図書室は西陽が差しこんでいて、ポカポカと暖かい。
「そぉだねぇ~…。」
北野君も本を読みながら言った。
窓の外から運動部の声がしている。
私は本を読みながら心の中で、がんばれ運動部ー、と思った。
あぁ、平和だなぁ~…。