「なんでって、

なんで?」






暗い部室でそう呟いた彼の言葉は、

その空間には不釣り合いなほど明るく響いて消えていった。






懐いてきてくれる可愛い後輩は、

生意気で意地っ張りで自信家の、

あたしのことを好きでいるらしい年下の男に格下げになった。






あの日以来あからさまに冷たくなったあたしに、それでも

“好きだ”

と何度も告げてくる翔太は、






今日もこうしてあたしの斜め前の席で、

頬杖をついている。