「きったな!!」






細目にドアを開いた時から、少し嫌な予感はしていたけれど。






いやむしろ、翔太のこの性格で部屋がキレイだなんてありえないことだと、

思ってはいたけれど。






この汚さは想像以上だった。

あたしの予想を遥かに凌駕していた。






壁や天井にまで隙間なく貼られたポスター、


床や机の上にバスケット雑誌や漫画本や、


CDや服や帽子が積み重なっていて、

足の踏み場もない。






普通、

好きな子を部屋に招く時は何とかして少しでも片付けようと努力をするものだと思うのだけれど、

その努力のかけらが、ほんの一粒も見当たらない。



本当に、ほんの一粒も。