「土曜さ、

部活早く終わるじゃん」





いつもの帰り道、大きな交差点の前で翔太が呟いた。






「うん」






「オレん家来ねぇ?

もちろん帰り送るから」





「なんで」






「なんでって、

あぶねーじゃん、帰り一人だと」






「ちがくて。

あたしが言ってんのは送るとかどうとかじゃなくて、

なんで家に行かなきゃなんないのかってこと。

あんたわざとでしょ」






「…その日、

親いねーからさ」