先輩が教室まで見送ってくれて、幸せな気分で教室に入った。
入るなり、親友の美沙が私に話しかけて…いや、叫んできた。
「ちょっとー!超ラブラブじゃん!」
美沙は中学校からの友達。
「匠先輩だっけ、イケメンじゃん!よかったね!」
「み、美沙…!声でかいから…!」
「でも正直な話、陸とチカがくっつくんじゃないかなーって思ってた」
私と、陸が?
「ないない!だいたい幼なじみが恋に発展するとか、絶対ないから!」
これは、本音。
本当に陸のことは幼なじみとしか思っていない。
逆に意識なんかしたら、普通に部屋に遊びに行けないしね。
「そーかなあ?逆に幼なじみから恋愛に発展した方が、マンガみたいで素敵じゃん!」
「マンガの話でしょ?」
そう、絶対ありえない。
まあ私は匠先輩と言う名の彼氏がいるから、いいんだけどね!
「なら美沙に、陸あげるよ」
ふざけて言ってみたけど、
「私彼氏いるから!」
って。
「陸はカッコいいから、すぐ出来るよ。そしたらチカ嫉妬したりしないのー?」
「するわけないでしょ、むしろ喜んであげる」
「そっかー。あ、先生きた」
私たちは、席についた。