「ねえ陸聞いてよー」
「……………なに」
「先輩がさあー……っ、」
『先輩』って言った瞬間、すごい睨まれた。
昨日も思ったけど、いつもの陸と違う気がする。
「ちょっと…なにそんなに怒ってんの…?」
「………怒ってねーし」
「そう…?ならいいけど…それでね!先輩が朝迎えに来てくれて………?どうしたの…?」
陸がこっちを見たかと思えば、私の首あたりをじっと見つめていた。
「………それ…、彼氏につけられたの?」
陸が指をさしたのは、先輩につけられたキスマーク。
「あ、そうなの!今日ね、先輩がお昼食べる前にね、資料室で……えへ」
にやけながら語っていると、陸が私の肩を掴んだ。
「ちょっと…、陸…?なにすんの」
「ムカつく………、その彼氏の話すんな」
そう言って、陸は先輩が付けたキスマークとは逆側に唇を押し付けて噛んできた。