「咲姫」



佳斗君に名前を呼ばれるのが、心地いい。

名前を呼ばれ、髪を撫でられると、もう私は何も言えなくなる。



「言ってるだろ?過去なんてどうでもいいって。これからお前がそばにいてくれるなら、それだけで俺は幸せだ」


「佳……っ」


「それに……」