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「ママぁ。パパはいつ帰ってくるのぉ?」
「パパはね、今は大事なことをしてるから帰ってこれないんだよ」
「そっかあ!!萌ね、パパにこの絵を見せてあげるんだあ!!ほらほらっ!!賞状まで貰ったんだよ!!パパ、喜ぶかなあ?」
「そうね……とっても喜んでくれると思うわ」
「良かったあ~!!パパ、早く帰って来ないかなあ~♪」
……あはは。
馬鹿みたい。
パパ……あの人は帰ってこないよ。
出て行ったんだもん。
……今頃、違う女のとこにいるよ。
「ママ?!ママ?!どおしたの?」
「……も…え……心配…しな…いで…。ママは…大丈……夫…だか…ら……」
「でもっ!!でもっ!!」
「萌……もう、夜遅いわよ……。早く、寝なさい……」
「だ、だけどお~!!う、うわーん!!」
「ね…寝な……さい……」
「嫌だあ~!!うわあぁあ」
「あとで、…ママも……行くから」
「ぜ、絶対だよ!?」
「う…うん……おや…すみ」
「うっ……!! ひっく……」
……もう、ほんと馬鹿。
あんた何かよりお母さんの方が泣きたかったよ。
だけど……泣かなかった。
私が……いたから……。
この時、お母さんはボロボロだったよね?
あの人の何処がいいかなんて私には分からない。
この日は……あの人が、帰って来たんだよね?
……お金目当てで。
金金金って、馬鹿みたい。