普通に、聞き流した。

だけど、流すことの出来ない言葉が聞こえた気がした。


もう1度、勇人くんの言葉を頭の中で繰り返す。


確かに、別れると言った。

誰と誰が?


頭の中が混乱していて、それ以前の会話が思い出せなくなっていた。




「父さんの入院で使ったお金は、由梨の父親に全額返済した。
だからもう、俺が由梨と付き合う必要はない。
別れたんだよ」




あっさり言う勇人くんに、驚いた。


はたから見れば、凄く仲良さそうだったのに、そんな2人が別れるなんて思わなかった。