「お前、宿題なら自分でやれよ」 「もう僕は考えてあるよ」 「へぇ。何だと思うんだ?」 「芸術」 「これまた、安易だな」 「うん、でも、ほんとそう思ったんだ」 「どうして?」 夏子が小首を傾げる。 「絵画とか、音楽とか、小説や映画だって、芸術の枠内だ。 全部、僕の好きなもので、すごいと思うもの」 なるほどね、と頷く。 それから、こいつ、本当に小学生か?と思った。 まぁ、これが光輝なんだろうな。