歌詞カードを見て、 曲を聴いた。 あの喫茶店でお袋を見ながら、 この呑気な歌詞の曲を今度、太一に聴かせてあげよう。 そんなことを考えていた。 「どーだ、気に入ったか」 太一は、うっとりと曲に浸っていた。 「このメロディー、気に入ってるみたいだね」 いつの間にか一緒に聴いていたみずきが、太一の顔を覗き込んで言った。 「メロディーが気に入ったとか、わかるの?」 「うん」