「隼人」 顔を上げると、お袋がぎこちなさそうに俺が座っていた向かいの席にった。 「久しぶり」 そう言うと、お袋は意外なことに、泣いたんだ。 絶対、第一声は、おっちゃんに迷惑をかけていないか、だと思ってたのに。 「なんで泣くんだよ?」 「…なんでもないわよ」 なんでもなくて、泣くのかよ? 「更年期障害?」 そう聞くと、 「違う!ばか」 と睨まれた。 ワケわかんねぇ。