「それからの1年間、私の会社でもリストラが流行ってきて、仕事もうまくいかなければ、家内のヒステリーは次第にエスカレートしてきました」 俺は、話を聞いている最中、吐き気と戦っていた。 発狂して、大声をあげて、走って逃げたくなった。 その度、おっちゃんの言葉を思い出しては、留まった。 隣から、みずきの嗚咽が聞こえる。 晃さんを見ると、苦いものを食べたような顔をしている。