父親は、呆然とした。


恐ろしいものを見た、引き返すなら今だ。

そう思い、玄関に向かう。


すると後ろから、今度は泣き声が聞こえた。


「ごめんね、ごめんなさい、太一…」


怖くなって、玄関を出て、走り出した。